「VPNを使いたいけど、まずは無料で試してみたい」――そう思って検索した方も多いのではないでしょうか。ただし結論から言うと、無料VPNの大半はセキュリティリスクが高いのが現実です。
VPNサーバーの運用には莫大なコストがかかります。それを無料で提供しているということは、どこか別のところで収益を上げている仕組みがあるわけです。その「別の方法」がユーザーデータの売却や広告注入であるケースが少なくありません。
とはいえ、すべての無料VPNが危険というわけではなく、有料VPNの無料プランであれば安全に利用できます。この記事では危険な無料VPNの見分け方と、安心して使える無料VPNを紹介します。

危険な無料VPNの特徴5つ
運営元が不明
アプリストアに並んでいるだけで、運営会社の情報がどこにも見つからないVPNがあります。こういったサービスにプライバシーを預けるのは非常にリスクが高い行為です。最低限、会社名・所在地・連絡先が明記されているかを確認しましょう。
権限を過剰に要求する
VPNアプリなのに、連絡先やカメラ、位置情報へのアクセスを求めてくるケースがあります。VPNに必要のない権限を要求してくる場合、データ収集が目的である可能性が高いと考えられます。
暗号化方式が不明・弱い
暗号化方式を公開していない、あるいは古い暗号化を使っている無料VPNには注意が必要です。通信が適切に暗号化されていなければ、VPNを使う意味そのものがなくなります。むしろ中間者攻撃のリスクが増す可能性さえあります。
プライバシーポリシーが怪しい
「第三者にデータを共有する場合があります」と書かれている無料VPNは、事実上データ売却を宣言しているのと同じです。面倒でもプライバシーポリシーには必ず目を通すことが大切です。
広告が大量に表示される
VPN接続中に大量の広告が表示されるサービスも警戒が必要です。広告収入で運営するモデル自体は理解できますが、ターゲティング広告を表示するために閲覧データを収集しているケースが確認されています。
過去に調査で「無料VPNアプリの38%にマルウェアが含まれていた」という報告もあります。出所不明の無料VPNは絶対に使わないでください。
安全に使える無料VPN3選
ProtonVPN(無料プラン)
最もおすすめできる無料VPNです。スイス拠点でプライバシー保護に最も力を入れているVPNプロバイダーの無料プランで、データ通信量が無制限という点が最大の魅力です。
ただし無料プランでは接続先が日本・アメリカ・オランダの3カ国に限定され、速度も「中速」に制限されます。P2Pやストリーミングの解除にも対応していません。一方で、セキュリティは有料プランと同じAES-256暗号化が適用され、ノーログポリシーも同様に機能します。安全性については文句のつけようがありません。
Windscribe(無料プラン)
月10GBまで無料で利用できます。メールアドレスを登録すると10GB、登録なしだと2GBです。10カ国以上のサーバーに接続可能で、無料VPNとしてはかなり使い勝手の良い部類に入ります。
暗号化もAES-256で問題なし。広告ブロック機能「R.O.B.E.R.T.」も無料で使えるのは嬉しいポイントです。カナダ拠点のため14アイズに含まれる点はマイナスですが、ノーログを宣言しており実績もあります。
hide.me(無料プラン)
月10GBまで無料で、マレーシア拠点のため14アイズ同盟国外に位置します。ノーログポリシーを掲げており、無料プランでもAES-256暗号化が適用されます。接続先は5カ国に限定されますが、一時的な利用には十分な内容です。

無料VPNと有料VPNの違い
速度の差
無料VPNは速度制限がかかっていることが多く、動画視聴やオンラインゲームには厳しい速度になりがちです。有料VPNであれば速度低下は10~20%程度に収まり、日常利用でストレスを感じることはほぼありません。
サーバーの選択肢
無料プランでは接続できるサーバーが3~10カ国程度に限られます。有料プランなら60~100カ国以上をカバーしており、海外コンテンツへのアクセスが必要な方は有料プランが必須と言えます。
同時接続台数
無料プランは1台のみに制限されていることがほとんどです。有料プランなら5台~無制限で、スマートフォンとPCの両方で使いたい場合は有料を検討する方が現実的です。
サポート体制
無料プランではサポートが限定的です。困った時に24時間チャットサポートを利用できるのは有料プランの大きなメリットです。VPNに不慣れな方ほど、サポートの有無は重要になります。
有料VPNの多くは30日間返金保証を設けています。実質的に「30日間の無料体験」として使えるため、まず有料を試してから判断するのも賢い方法です。
無料VPNで十分な人・有料にすべき人
無料で十分な人
カフェのフリーWi-Fiをたまに安全に使いたいだけの方、月の利用量が10GB以下で速度にもそこまでこだわらない方、あるいはVPNを初めて使う方でとりあえず体験してみたいという方。こういった方はProtonVPNの無料プランで十分に用途を満たせます。
有料にすべき人
毎日VPNを使う方、海外コンテンツを視聴したい方、テレワークでVPNが業務上必須な方、速度低下を最小限に抑えたい方。こうした方は月500円前後の有料VPNに投資した方が、結果的にストレスなく快適に使えます。

無料VPNに関するQ&A
Q. 無料VPNでNetflixの海外版は見られる?
ほとんどの無料VPNでは見られません。Netflixは高度なVPN検出技術を導入しており、無料VPNのIPアドレスはほぼブロックされています。海外版Netflixの視聴が目的であれば、NordVPNやExpressVPNなどの有料サービスが必要です。
Q. 無料VPNを使っていてデータを盗まれたらどうなる?
通信内容が漏洩した場合、ログイン情報やクレジットカード情報が悪用されるリスクがあります。特にフリーWi-Fi環境で暗号化の弱い無料VPNを使うのは、鍵のかかっていない金庫にお金を入れるようなものです。
Q. 無料VPNから有料に切り替えるタイミングは?
「速度が足りない」「接続できるサーバーが少ない」「もう1台のデバイスでも使いたい」といった不満が出てきたら切り替え時です。多くの有料VPNは30日間返金保証があるため、まず試してみて合わなければ戻ればいいだけです。
Q. 子どもに無料VPNを使わせても大丈夫?
出所不明の無料VPNアプリは絶対に避けてください。マルウェアが含まれている可能性があります。使わせるのであればProtonVPNの無料プランか、親が契約した有料VPNのアカウントを共有する方が安全です。
まとめ:無料VPNは「有料の無料プラン」を選ぶ
無料VPNを使うなら、有料VPNの無料プランを選ぶのが鉄則です。ProtonVPN、Windscribe、hide.meの3つであれば安心して利用できます。
それ以外の「完全無料」を謳うVPNは基本的に避けた方が無難です。「タダより高いものはない」という言葉は、VPNの世界ではまさにそのまま当てはまります。安全性を担保しながらコストを抑えたい方は、まず上記3サービスの無料プランから始めてみてください。

