中国に出張・赴任・旅行で行く予定がある方にとって、VPNは生活インフラと言っても過言ではありません。中国ではグレートファイアウォール(金盾)によって、Google、LINE、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)など、日本で日常的に使っているサービスのほとんどがブロックされています。
ただし「VPNを入れれば全部解決」と考えるのは早計です。中国当局はVPN接続の検知と遮断を常にアップデートしており、使えるVPNと使えないVPNがはっきり分かれるのが実情です。
この記事では、中国での接続実績があり、規制への対応力が高いVPNを5つ厳選して紹介します。中国渡航前に準備しておくべきポイントも合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

中国のネット規制(グレートファイアウォール)とは
グレートファイアウォール(GFW)は、中国政府が運用するインターネット検閲システムです。正式名称は「金盾工程」で、海外のWebサービスへのアクセスを広範囲にわたってブロックしています。
中国でブロックされている主なサービス
- Google全般(検索・Gmail・Googleマップ・YouTube)
- LINE・WhatsApp
- X(旧Twitter)・Instagram・Facebook
- Wikipedia(一部言語)
- Netflix・Amazon Prime Video
日本で普段使いしているサービスがほぼ全滅するため、VPNなしでの生活は相当不便になります。ビジネスで必須のGmailやGoogleドライブが使えないのは致命的です。
中国でのVPN利用に関する法的リスク
中国では政府が認可していないVPNの利用は法律上グレーゾーンです。ただし実態としては、外国人がビジネスや私的利用でVPNを使用して罰則を受けた事例はほとんど報告されていません。中国在住の日本人駐在員や留学生の多くがVPNを日常的に利用しています。
VPNの利用は自己責任です。中国の法律や規制は変動する可能性があるため、渡航前に最新の情報を確認してください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。
中国で使えるVPNおすすめ5選
NordVPN ― 難読化サーバーで規制を回避
NordVPNには「難読化サーバー(Obfuscated Servers)」が搭載されており、VPN通信を通常のHTTPS通信に偽装します。これによりグレートファイアウォールの検知を回避しやすくなっています。
6,000台以上のサーバーネットワークを持ち、中国から近い日本・韓国・台湾・香港のサーバーに接続すれば速度も比較的安定します。2年プラン月額約500円台のコスパも魅力です。
ExpressVPN ― 中国での接続実績が豊富
ExpressVPNは中国での利用実績が最も豊富なVPNの一つです。自動的に最適なプロトコルを選択する「スマートロケーション」機能があり、中国の規制状況に応じてサーバーと接続方式を自動調整します。
中国専用のミラーサイトも用意されており、公式サイトがブロックされていてもアプリのダウンロードやサポートへのアクセスが可能です。価格は月額やや高めですが、中国での安定性を最優先にするならExpressVPNが最も手堅い選択です。
Surfshark ― カモフラージュモード搭載
Surfsharkの「カモフラージュモード」は、NordVPNの難読化サーバーと同様に、VPN通信を通常通信に偽装する機能です。NoBordersモードを有効にすると、規制の厳しい地域向けに最適化されたサーバーリストが自動表示されます。
同時接続台数が無制限なので、スマホとPCを同時に使う場面でも追加料金なし。2年プラン月額300円台は、長期滞在でのランニングコストを考えると大きなアドバンテージです。

スイカVPN ― Shadowsocks対応の日本企業VPN
スイカVPNはShadowsocksプロトコルに対応しており、中国からの接続実績があります。日本企業が運営しているため、サポートが完全日本語対応なのは安心材料です。
中国赴任者や留学生にとっては「日本語で質問できる」というだけでもハードルが大きく下がります。2週間の無料お試し期間があるため、渡航前に動作確認しておくことをおすすめします。
MillenVPN ― 日本企業+中国対応の新鋭
MillenVPNは「MillenVPN Native OpenConnect」という専用アプリで中国からの接続に対応しています。日本のアズポケット株式会社が運営しており、全サービスが日本語対応です。
2年プラン月額396円というコスパの良さも光ります。中国在住の日本人コミュニティでも利用者が増えてきており、今後の選択肢として注目のVPNです。
中国渡航前に必ずやっておくこと
渡航前にVPNアプリをダウンロード・設定する
これは最重要事項です。中国国内ではVPN各社の公式サイトもブロックされるため、現地でアプリをダウンロードできない場合があります。必ず日本にいるうちにアプリのインストールとアカウント設定を完了させてください。
複数のVPNを用意しておく
中国の規制は常に変動しており、昨日まで使えていたVPNが今日突然ブロックされることもあります。メインとサブの2つのVPNを用意しておくのが安全策です。たとえばメインにExpressVPN、サブにMillenVPNといった組み合わせが考えられます。
事前にプロトコル設定を確認する
中国では通常のVPNプロトコル(WireGuardやOpenVPN)が検知・遮断される場合があります。難読化モード、カモフラージュモード、Shadowsocksなど、規制回避用の設定方法を事前に把握しておきましょう。
VPNアプリだけでなく、VPNの公式サイトURLやサポートメールアドレスもメモしておきましょう。中国国内では公式サイトにアクセスできないことがあるため、事前にトラブル対処法を確認しておくと安心です。

中国でVPNが繋がらない時の対処法
サーバーを切り替える
特定のサーバーがブロックされている場合でも、別のサーバーに切り替えると接続できるケースは多いです。日本・韓国・台湾・シンガポールなど、中国に近いアジア圏のサーバーを順に試してみてください。
プロトコルを変更する
WireGuardがブロックされている場合はOpenVPN(TCP)に、それもダメなら難読化モードやShadowsocksに切り替えます。プロトコルの切り替えだけで接続が回復することは珍しくありません。
サポートに連絡する
ExpressVPNやNordVPNは中国での接続状況を常時モニタリングしており、サポートに「中国から繋がらない」と連絡すると、最新の接続方法を教えてもらえます。ライブチャットサポートがあるVPNなら、リアルタイムで解決策を得られます。
テザリングを利用する
Wi-Fi環境でVPNが繋がりにくい場合、モバイル回線(4G/5G)のテザリングに切り替えると接続できることがあります。ネットワーク環境を変えるだけで状況が改善する場合があるため、試してみる価値はあります。
中国で使えるVPNに関するよくある質問(Q&A)
Q. 中国でVPNを使うと逮捕される?
外国人がVPNを個人利用して逮捕された事例は、記事執筆時点では確認されていません。ただし中国の法律では認可されていないVPNの利用は違法とされる場合があり、リスクがゼロとは言えません。あくまで自己責任での利用となります。
Q. 無料VPNで中国の規制を突破できる?
無料VPNで中国のGFWを安定的に突破するのは非常に困難です。無料VPNはサーバー数が少なく、規制回避の技術投資も限られているため、ほとんどの場合ブロックされています。中国での利用には有料VPNが実質必須です。
Q. 中国国内でVPNアプリをダウンロードできる?
Google PlayストアやApp Storeの一部コンテンツが中国ではブロックされているため、VPNアプリのダウンロードが困難な場合があります。ExpressVPNのようにミラーサイト経由でAPKファイルを提供しているVPNもありますが、渡航前のダウンロードが最も確実です。
Q. 中国出張は数日間だけ。それでもVPNは必要?
数日間でもGmailやGoogleマップが使えないのは相当不便です。NordVPNの1ヶ月プラン(約1,500円)やMullvad VPNの月額5ユーロを利用すれば、短期利用でも対応可能です。返金保証を活用するのも一つの方法です。
Q. ホテルのWi-FiでもVPNは使える?
ホテルのWi-Fi環境でもVPN接続は可能です。ただしホテル側のファイアウォールでVPN通信が制限されているケースもあるため、プロトコルの切り替えやモバイル回線への切り替えも想定しておくと安心です。

まとめ:中国で使えるVPNは「事前準備」で9割決まる
中国でVPNを快適に使えるかどうかは、渡航前の準備にかかっています。日本にいるうちにアプリのダウンロード・アカウント設定・プロトコル確認を済ませておけば、現地で慌てることはありません。
中国での接続実績と安定性を重視するなら、ExpressVPNまたはNordVPNが手堅い選択です。コスパを重視するならSurfshark、日本語サポートを重視するならMillenVPNやスイカVPNが候補に入ります。
いずれのVPNも30日間の返金保証(CyberGhostは45日間)があるため、実際の接続状況を確認してから本契約するかどうかを判断できます。中国渡航が決まったら、まずは気になるVPNを試してみてください。
