VPNサービスの公式サイトを見ると「サーバー数○○台!」「○○カ国以上に展開!」といったアピールをよく見かける。でも、サーバー数が多いと具体的に何が良いのだろうか。
この記事では、VPNのサーバー数がユーザー体験にどう影響するのか、数だけで選ぶ危険性、そして主要VPNのサーバー数比較まで、まるごと解説していく。

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VPNのサーバー数が多いメリット
1. 通信速度の安定
サーバー数が多いほど、1台あたりの利用者数が分散されるため、混雑による速度低下が起きにくい。特に夜間や週末など、利用者が集中する時間帯にその差が顕著に表れる。
2. 接続先の選択肢が豊富
サーバーが多くの国や都市に分散していれば、自分の目的に合った接続先を選びやすい。動画配信の地域制限解除、特定の国のウェブサービス利用、近距離サーバーによる高速接続など、用途に応じた柔軟な使い方が可能だ。
3. 障害時の代替サーバー
特定のサーバーがダウンしたり、メンテナンス中であっても、他のサーバーにすぐ切り替えられる。サーバー数が少ないVPNでは、代替の選択肢が限られてしまう。
4. IPアドレスの多様性
サーバー数が多いと割り当てられるIPアドレスも多くなる。これにより、動画配信サービスなどのVPN検出を回避しやすくなる。ブロックされたIPがあっても、別のサーバーのIPで接続できるためだ。
サーバー数は「量」だけでなく「分布」も重要。100カ国に分散している方が、1つの国に集中しているよりも実用的だ。
サーバー数だけで判断してはいけない理由
サーバー数は重要だが、それだけでVPNの品質は決まらない。以下のポイントも合わせてチェックしよう。
物理サーバーと仮想サーバーの違い
VPNのサーバーには「物理サーバー」と「仮想サーバー」の2種類がある。物理サーバーは実際にその国に設置されたハードウェアで、仮想サーバーは別の場所にあるサーバー上に仮想的にその国のIPアドレスを割り当てたものだ。
仮想サーバーは物理的にはその国にないため、速度やレイテンシー(遅延)が物理サーバーほど安定しない場合がある。NordVPNやExpressVPNは物理サーバーの比率が高いことで知られている。
サーバーの帯域幅
サーバー台数が多くても、各サーバーの回線速度(帯域幅)が低ければ意味がない。高品質な10Gbps回線のサーバーが1,000台あるVPNのほうが、低速回線のサーバーが10,000台あるVPNよりも快適な場合がある。
RAMオンリーサーバー
セキュリティを重視するなら、RAMオンリーサーバーを採用しているVPNを選びたい。RAMオンリーサーバーは再起動のたびにデータが消去されるため、万が一サーバーが押収されてもユーザーデータが残らない。NordVPNやExpressVPNがこの方式を採用している。

主要VPNのサーバー数比較
記事執筆時点での主要VPNサービスのサーバー台数と展開国数を比較した。
| VPNサービス | サーバー台数 | 展開国・地域数 |
|---|---|---|
| NordVPN | 7,400台以上 | 118カ国以上 |
| ExpressVPN | 3,000台以上 | 105カ国 |
| Surfshark | 3,200台以上 | 100カ国以上 |
| CyberGhost | 11,500台以上 | 100カ国以上 |
| PIA | 35,000台以上 | 91カ国 |
| ProtonVPN | 4,500台以上 | 110カ国以上 |
| MillenVPN | 1,300台以上 | 72カ国以上 |
※サーバー台数は公式サイトの情報に基づくが、随時増減するため最新の数字は各社の公式サイトで確認してほしい。
サーバー台数の公表方法はVPN各社で異なる(物理サーバーのみ、仮想サーバー含む等)。単純な数字の比較には注意が必要だ。
目的別のサーバー選びガイド
サーバー数を活かすためには、目的に合ったサーバー選びが重要だ。
- 高速通信を求めるなら:自分のいる国と同じ国、または近い国のサーバーに接続する
- 動画配信の地域制限を解除するなら:視聴したいコンテンツが提供されている国のサーバーに接続する
- プライバシーを最重視するなら:ダブルVPN(マルチホップ)対応サーバーを利用して、二重に暗号化する
- P2P利用なら:P2P対応と明記されているサーバーを選ぶ(全サーバーが対応しているとは限らない)
よくある質問
Q. サーバー数が多いVPNほど速い?
一概にそうとは言えない。サーバーの品質(帯域幅、ハードウェアの性能)やプロトコルの最適化も速度に大きく影響する。サーバー数が多くても低品質なサーバーばかりでは意味がない。
Q. 日本のサーバーがたくさんあるVPNはどれ?
NordVPNは日本国内に複数都市(東京、大阪等)にサーバーを設置しており、国内接続での速度が安定している。ExpressVPNやSurfsharkも日本サーバーを提供している。
Q. サーバーが少ない国に接続するとどうなる?
利用者が集中してサーバーが混雑すると、速度低下や接続の不安定さが生じやすい。混雑を避けるには、ピーク時間帯を避けるか、近隣国のサーバーに接続するのがコツだ。
参考:WorkTypes Lab「VPNおすすめ3選を徹底比較」、VPN比較ガイド「主要15サービスの料金・速度・機能を比較」
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サーバー設置国の数がもたらす利点
サーバーの「台数」だけでなく、サーバーが設置されている「国の数」にも注目しよう。展開国数が多いことには以下のメリットがある。
地域制限コンテンツへのアクセス
動画配信サービスは国ごとにコンテンツのラインナップが異なることが多い。サーバーが多くの国にあれば、その国のコンテンツにアクセスできる可能性が広がる。たとえば、アメリカのサーバーに接続すればアメリカ版のコンテンツ、イギリスのサーバーに接続すればイギリス版のコンテンツが利用できる場合がある。
近距離サーバーによる低遅延
VPNの通信速度は、ユーザーとサーバーの距離に大きく影響される。多くの国にサーバーがあれば、自分の現在地に近いサーバーを選びやすく、遅延(レイテンシー)を最小限に抑えられる。海外出張や旅行中でも、近くのサーバーに接続できるので安心だ。
特定の国からのアクセスが必要な場面
海外のECサイトで現地価格で商品を閲覧したい場合や、特定の国限定のウェブサービスを利用する場合に、その国のサーバーがあれば対応できる。
VPN選びでは、自分が頻繁に接続する国にサーバーがあるかどうかを確認するのが最も実用的だ。
サーバーの種類と特殊サーバー
主要VPNでは、通常のサーバーに加えて特殊な用途に特化したサーバーを提供している。
P2P対応サーバー
ファイル共有(P2P/トレント)に最適化されたサーバー。通常のサーバーでP2Pを使うと速度が制限される場合があるが、P2P専用サーバーなら速度制限なしで利用できることが多い。
難読化サーバー
VPN通信を通常のHTTPS通信に偽装するサーバー。中国やロシアなど、VPN利用が規制されている国からの接続に使われる。NordVPNが特にこの分野で充実したサーバー網を持っている。
ダブルVPN(マルチホップ)サーバー
通信を2つのVPNサーバーを経由させて二重に暗号化するサーバー。プライバシー保護を最大限に強化したい場合に有効だ。ただし、二重経由するため速度は低下する。
Onion over VPNサーバー
VPN接続の上にTorネットワークを重ねるサーバー。最高レベルの匿名性を提供するが、速度は大幅に遅くなる。NordVPNがこのタイプのサーバーを提供している。
専用IPサーバー
固定のIPアドレスが割り当てられるサーバー。共有IPでは他のユーザーの行為により、IPアドレスがブラックリストに載ってしまうリスクがあるが、専用IPならその心配がない。ただし、追加料金が必要な場合が多い。

サーバー選びで失敗しないためのコツ
サーバー数が豊富なVPNを使っていても、選び方を間違えるともったいない。以下のコツを押さえておこう。
- 速度重視なら「近距離+推奨サーバー」:多くのVPNアプリには「推奨サーバー」や「最速サーバー」の自動選択機能がある。まずはこれを使って、最適なサーバーをアプリに選んでもらおう
- 動画視聴なら「対象国のサーバー」:視聴したいコンテンツが提供されている国のサーバーに接続する。つながらない場合は、同じ国の別のサーバーに切り替えてみよう
- プライバシー重視なら「ダブルVPN」:通常の接続よりも強力に暗号化したい場合は、ダブルVPN対応サーバーを選ぶ
- ゲームなら「低Ping値のサーバー」:ゲームではPing値(遅延)が重要。物理的に近い国のサーバーを選ぶことで、Ping値を最小限に抑えられる
VPNアプリの「サーバーリスト」では、各サーバーの負荷率が表示される場合がある。負荷率が高いサーバーは避けて、余裕のあるサーバーを選ぼう。
まとめ|サーバー数は「量」と「質」と「分布」で判断しよう
VPNのサーバー数は速度・安定性・地域制限解除の面で重要な要素だ。ただし、数字だけで判断せず、物理サーバーの比率、帯域幅、RAMオンリー対応、展開国数を合わせて評価しよう。
自分がよく接続する国にサーバーがあるか、特殊サーバー(P2P、難読化等)が利用できるかを確認してから契約するのがベストだ。
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